司法書士に遺産相続手続を任せるメリット

煩雑な調査を任せることができる

遺産相続手続きを司法書士に任せるメリットの1つめが「調査」です。

遺産相続手続きの前には調査を行わなければ相続を進めることができません。

司法書士に遺産相続を任せることによって以下の2つの調査を確実に行なってくれます。

• 相続人の調査
• 相続財産の調査

相続人の調査

司法書士に依頼すると相続人の調査を確実に司法書士が行なってくれます。

相続人が、被相続人の配偶者と子供だけというようなシンプルな関係であれば一般の人でも漏れなく相続人を特定することができます。

しかし、被相続人が過去に離婚して子供がいた場合や、相続人の中に死亡した人がいて代襲相続が発生していた場合などは相続人の特定は厄介になります。

このようなケースでも司法書士に遺産相続手続きを依頼することで漏れなく相続人を特定してもらうことが可能です。

遺産相続協議は相続人全員の参加が必須

遺産相続協議は相続人全員が参加しなければ無効になります。

そのため、相続人をもれなく調査し、その相続人に対して連絡が付く状態を確保しなければ遺産分割協議を進めることはできません。

また、相続人の中に行方不明者がいるような場合には、裁判所を交えた法的手続きが必要になることもあるので、相続人が配偶者と子供だけというようなシンプルなケース以外では司法書士に依頼しなければ手続きに不備が出てしまう可能性が高くなります。

相続財産の調査

司法書士に依頼することによって相続財産の調査も確実に行なってくれます。

遺産分割協議は全ての財産に対して行わなければならないので、相続財産に漏れがあってはなりません。

預金や不動産以外の財産に関しても司法書士に依頼することによって、漏れなく特定してもらうことが可能です。

遺言書の開封

遺言書がある場合には、遺産分割協議は必要ありません。

そのため、司法書士は必要ないようにも思えますが、遺言は開封する際に法的な手続きを取らなければならないことに注意が必要になります。

この際にも司法書士に依頼しておいた方が安心です。

遺言の開封は検認が必要

遺言書は相続人だけで開けてはなりません。

相続人だけで開けてしまうと罰金の対象になってしまう可能性があるので、家庭裁判所で検認の手続きを経てから開封する必要もあります。

司法書士に依頼することで正式な手続きで開封することができるので、罰金などになるリスクがありません。

代理人が必要な場合にもメリットあり

相続人の中に認知症の人や未成年者がいる場合には、司法書士に依頼した方がメリットがあります。

このような場合には、代理人を立てなければ遺産相続手続きを進めることができませんし、代理人を立てることにも裁判所での手続きが必要になります。

代理人の選任は裁判所への申し立てが必要

相続人の中に未成年者や認知症の人がいる場合には、そのまま遺産分割協議を進めることができません。

そのため、遺産分割協議の前に代理人の選任が必要になります。

代理人の選任のためには家庭裁判所への申し立てが必要ですが、司法書士へ依頼することによって代理人の申立手続も行なってくれます。

司法書士を代理人とすることもできる

未成年者の代理人には親が代理人になることができないケースがありますが、適切な代理人を探すことができない場合には、司法書士自らが代理人になることもできるので、相続人の中に認知症や未成年者がいる場合には司法書士に相談すると非常に便利です。

遺産分割協議書の作成

司法書士に遺産相続手続きを相談することによって、遺産分割協議書を適切な形で作成してくれます。

遺産分割協議者は適切に作成しないと相続登記ができないこともあります。

また、代償分割を行う場合には、遺産分割協議書を適切に作成しておかなければ代償金が贈与と見なされる可能性もあります。

間違いのない形で適切に遺産分割協議書を作成することができるのは、司法書士に遺産相続手続きを依頼する大きなメリットと言えるでしょう。

まとめ

司法書士に依頼することによって相続人、相続財産の調査、遺言書の開封、代理人の選任、遺産分割協議書の作成、相続登記まで一貫して任せることができます。

一般の相続人が手続きを行うことによってありがちな不備を防止することができますし、面倒な家庭裁判所とのやりとりも代行してくれます。

相続人が被相続人の配偶者と子供だけというシンプルなケース以外では司法書士に遺産相続手続きを任せた方が確実かつスムーズです