土地の相続税評価方法
今回の記事では、土地の相続税評価方法を分かりやすく解説します。
目次
土地の相続税評価額を計算するプロセス
はじめに、土地の相続税評価額を一から計算する流れをお伝えします。
国税庁の路線価図を調べる
はじめに、国税庁の路線価図を調べます。「路線価図」と調べれば、検索結果の上位に国税庁の路線価図が表示されるので、そちらをクリックします。
クリックすると日本地図が表示されるので、相続する土地がある場所をクリックしましょう。その次は「路線価図」をクリックし、そこから詳細な住所を検索するだけです。
参考:路線価図 国税庁
相続する土地に適用される相続税評価方法を確認する
路線価図が表示されたら、次に相続する土地に適用される相続税評価方法を確認します。
路線価図には、おおきく「道路に数字とアルファベットが組み合わさった表記」と「倍率地域とかかれた表記」の2つがあります。数字とアルファベットが組み合わさった表記がかかれた道路に面している土地では「路線価方式」、倍率地域とかかれた道路に面している土地では「倍率方式」を使って計算します。
実際に各方法で相続税評価額を計算する
路線価方式と倍率方式のどちらを使うべきかわかったら、実際に各方法で相続税評価額を計算します。
土地の相続税評価の具体的な方法
前述したとおり、土地の相続税評価方法には、「路線価方式」と「倍率方式」の2種類があります。この章では、それぞれの評価方法を詳しくご説明します。
路線価方式
路線価方式を用いるには、路線価図にかかれた数字とアルファベットの意味を理解する必要があります。
アルファベットは借地権割合を表しています。借地権を有していない場合は関係ないため、今回は割愛します。一方で数字は、「1平方メートル当たりの価額(路線価)」を表します(単位は千円)。たとえば「50D」とかかれている場合は、1平方メートルあたりの路線価が50千円(5万円)であることを表します。
これが理解できれば後は簡単です。路線価方式では、路線価と相続する土地の面積を掛け合わせることで、相続税評価額を計算します。
- 相続税評価額 = 路線価 × 土地の面積
たとえば路線価が10万円、土地の面積が100平方メートルの場合は、10万円×100平方メートル =1,000万円が相続税評価額となります。
ただし上記は、原則的な相続税評価方法です。実際には土地の形状がいびつであったり広大すぎる場合には、相続税評価額を減額することが認められています。とはいえ、土地の形状や広さを考慮した相続税評価には複雑な計算や税法の理解が必要であるため、算出する場合は税理士に依頼するのが無難です。
倍率方式
倍率方式とは、相続する土地の固定資産税評価額に所定の倍率をかけることで、相続税評価額を計算する方法です。倍率は、対象の場所や土地の種類(宅地や田畑、山林など)によって異なります。また固定資産税評価額は、毎年送付される固定資産税納税通知書にかかれているので、そちらを参考にしましょう。
倍率方式による相続税評価額の計算方法は下記になります。
- 相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率
たとえば東京都青梅市天ヶ瀬町で、固定資産税評価額が3,000万円の宅地を相続すると仮定します。この宅地には、1.1倍をかける決まりとなっています。したがって相続税評価額は、3,000万円×1.1=3,300万円となります。
まとめ
おおよその土地の相続税評価額ならば、必要な情報さえ準備すれば割と簡単に計算できます。ですが相続税を大幅に節税したいならば、土地の形状や広さなどを考慮し、複雑な計算を行う必要があります。
最初はご自身で大体の相続税評価額を計算し、節税が必要と判断した場合には税理士に依頼するのがオススメです。