遺留分減殺請求の仕方
目次
遺留分減殺請求の方法
遺留分減殺請求をするには、裁判外の請求と裁判での請求の2つの手続きがあります。
基本的には他の交渉ごとと同じように、裁判外での請求が失敗に終わった場合には裁判での手続きを行う流れになります。
裁判外での請求
遺留分減殺請求は基本的に最初は裁判外で行います。
共同相続人に対して「遺留分を支払ってくれ」と請求し、その請求が合意に至れば請求は完了するので、わざわざ裁判上の手続きをする必要はありません。
当事者同士で交渉を完結させればお金も時間も手間もかかりませんので、まずは裁判外で請求を行います。
裁判での請求
裁判外での請求が合意に至らなかった場合には、裁判所での請求手続きになります。
裁判での請求は、いきなり裁判をするわけではなく、最初は裁判所を交えた話し合いである調停を行い、調停でも合意に至らなかった場合には裁判となります。
遺留分減殺請求の裁判外での請求方法
裁判外での遺留分減殺請求を行う場合には、特に決まった形というものはありません。
相続人が遺留分の支払いに関して合意すればそれで請求は終了するため、どんな形で請求しても基本的には問題ありません。
ここでは基本的な形と、必ず行なった方がよい手続きについて詳しく解説していきます。
遺留分減殺請求書の送付
基本的に遺留分の請求は遺留分減殺請求書を郵送するのが一般的です。
郵送方法は一般郵便ではなく、内容証明郵便で送付した方がよいでしょう。
遺留分減殺請求書の雛形はインターネットで「遺留分減殺請求書」と検索すれば数多く表示されますが、記載内容に不安を感じている方は司法書士などの専門家へ依頼して送付することもできます。
なお、遺留分減殺請求は必ずしも書面にして郵送する必要はありません。
請求方法に特に形はないので、電話でもメールでも相手と交渉ができる方法であればどのような方法でも問題ないでしょう。
「いきなり内容証明郵便を送ったら角が立つ」と考える人は最初は電話などで交渉してみるのがよいかもしれません。
合意の内容は合意書へ
遺留分減殺請求の請求内容について相続人と合意した場合には、その合意内容を合意書などの書面にした方がよいでしょう。
口約束の場合には、後々言った言わないの争いになってしまうことも多いので、遺留分減殺請求の合意内容は必ず書面にしてください。
支払いの約束は公正証書へ
そして遺留分の支払いの約束に関しては必ず公正証書にしておくようにしましょう。
遺留分が高額になる場合には分割での支払いという契約になることもあります。
この場合、先々に渡って遺留分の支払いを受けることができるのかが不透明です。
しかし、支払いの約束を公正証書にしておくことで、支払いがない場合に裁判なしで強制執行することができます。
支払いの約束は公正証書にしておくようにしましょう。
遺留分減殺請求の裁判手続きでの請求方法
遺留分減殺請求を裁判外で交渉しても合意に至らなかった場合には、裁判手続きでの請求になります。
裁判手続きには調停と裁判があります。
なお、裁判の場合には一般の民事訴訟となる点に注意しましょう。
遺留分減殺による物件返還調停
遺留分減殺による物件返還調停とは、裁判所を交えて遺留分の返還について話し合いを行うことです。
あくまで話し合いですので、強制力はないですが裁判所が間に入ることによって裁判外での請求よりも合意に至る可能性は高くなります。
地方裁判所での民事訴訟
調停でも合意に至らない場合には裁判になります。
前述したように、遺留分返還の訴訟は人事訴訟ではないので家庭裁判所へ提起することができません。
一般の民事訴訟になるので地方裁判所へ提起します。
なお、請求金額が140万円以下の場合には簡易裁判所へ提起することになります。
まとめ
遺留分減殺請求には裁判外の請求と裁判所での請求という2つの方法があります。
最初は裁判外の請求を行いますが、裁判外の請求は相続人に対して「遺留分を支払ってほしい」と請求するだけですので決まった方法はありません。
しかし、自己で請求しても相手に本気にされず支払いに応じてはくれないものです。
確実に遺留分の返還をするのであれば、司法書士などの専門家へ請求手続きを依頼した方がよいでしょう。